脳ドック
脳ドック
脳ドックでは、MRI検査装置を用いて、頭部のMRI検査と頭部のMRA検査を同時に行い、脳血管疾患・脳腫瘍の有無、脳の加齢性変化の程度など、脳の異常を早期に見つけることができます。早期発見することにより、病気の進行を抑えるための対策を講ずることができ、または、病気に対する治療を速やかに開始することができます。病期が進むことによる症状の出現・増悪することを防ぐことにつながり、脳の健康を維持することが可能になります。
現在の医学では、脳という臓器を再生させることはできません。つまり、一度傷んでしまった脳組織を取り戻すことはできず、損傷した場所に応じて神経機能が低下します。リハビリテーションにより損傷せずに残った周辺組織の予備力を最大化することで見た目の機能復帰を促しますが、限界があるのも事実です。したがって、脳の機能を将来にわたって正常に維持するためには、脳を損傷しないようにすればよいということになります。
脳を痛めてしまう主な原因は、脳出血・脳梗塞・くも膜下出血などの脳卒中や脳腫瘍などです。脳血管に異常が存在すると脳卒中発生のリスクが上昇することが知られています。特に、脳動脈瘤が破裂したことで起きるくも膜下出血は後遺症や致死率が非常に高い疾患で注意が必要です。破裂する前に破裂しないように対策をとることでくも膜下出血の発生を防ぐことができます。また、血管の奇形や動脈硬化性変化による血管異常は、脳出血・脳梗塞のリスクになります。このような方には特に、生活習慣病の管理、つまり、血圧の管理・脂質の管理・血糖の管理をしっかり行うことをお勧めします。
いつまでも脳の健康を維持し、これまでと同様に生活をエンジョイするためには、ご自身の脳の状態を正確に把握し、危険因子をしっかりと管理し、将来的に健康を損なうリスクをできうる限り減少させることが重要です。脳ドックの受診を検討してみてください。
<頭部MRI検査+頭部MRA検査(基本プラン)>
※即日画像チェックを行い、緊急性の高い疾患が認められた場合はご連絡致します。
頭部の断層撮影と血管撮影を行います。
断層撮影では、脳出血や脳梗塞、腫瘍の有無だけでなく、脳の萎縮や加齢による変化、さらには副鼻腔や耳の周囲の異常まで幅広く確認できます。
血管撮影では、造影剤を使わずに頭の中の動脈をくっきりと映し出します。これにより、くも膜下出血の原因となる「未破裂脳動脈瘤(血管のふくらみ)」や、血管の詰まり・細さ、生まれつきの血管の異常(脳動静脈奇形)などを発見することが可能です。
検査時間は7〜8分程度です。
<A. AI-Rad Companion Brain MR>
AI解析による精密な診断支援
当院では、Siemens製の最新MRI装置とAI解析プログラムを用いた、高度な脳体積計測を行っています。
1.脳の「体積」を部位ごとに数値化
AIが脳を各領域(前頭葉・海馬・大脳基底核など)に自動で切り分け、それぞれの体積を精密に計測します。
・客観的な比較: 蓄積された膨大な健常者データと比較し、ご自身の脳の体積が同年代の標準範囲内にあるかを数値で把握できます。
・将来の健康維持に: 脳全体の萎縮だけでなく、記憶を司る「海馬」などの状態を詳しく知ることで、認知機能低下の早期発見に役立てます。
2.脳の「慢性虚血性変化」を見逃さない
加齢に伴う大脳白質の変化(隠れ脳梗塞や認知機能低下などの予備軍)を、AIが個数や体積で正確に算出します。
・悪化の予防: 一度変化した部位を元に戻すことはできませんが、現状を正確に把握することで、脳卒中や認知機能低下のリスクを抑え、健康な脳を維持するための対策を立てることが可能です。
<B. VSRAD>
早期アルツハイマー型認知症の診断支援
当院では、認知症の早期発見をサポートする画像統計解析ソフト「VSRAD(ブイエスラド)」を導入しています。
1.記憶に関わる部位の「萎縮」を数値化
アルツハイマー型認知症の初期に萎縮が現れやすい「内側側頭葉(海馬付近)」の状態を解析します。
・脳全体との比較: 脳全体の萎縮と、特定の部位(内側側頭葉)の萎縮を相対的に比べることで、病的な変化が進行していないかを客観的に判断します。
・高い識別精度: 早期アルツハイマー型認知症の識別において、感度(見抜く力)約86%、特異度(健康な人を正しく判定する力)97%という非常に高い精度を誇ります。
2.検査の対象と役割
・対象年齢の目安: 物忘れが気になり始めた50歳以上の方におすすめしています。
・診断の補助: この検査のみで「認知症」と断定するものではありませんが、他の神経変性疾患や精神疾患との判別を含め、専門医が診断を行うための重要な指標となります。
<C. 頸部MRA検査>
頸部(くび)の血管撮影(MRA)
脳へ血液を送る大切な通り道である「頸動脈」の状態を詳しく調べます。
・造影剤不要で身体に優しい
お薬(造影剤)を使用せず、流れている血液そのものを画像化するため、身体への負担を抑えて検査が可能です。
・3次元(3D)画像で詳しく解析
頸動脈や椎骨動脈を立体的に映し出すことで、血管の狭窄(細さ)やその程度、生まれつきの奇形の有無などを精密に評価します。
・脳梗塞の予防に
頸動脈の狭窄は脳梗塞の大きな原因の一つです。早期に発見することで、適切な予防処置につなげることができます。
<D. 頸動脈超音波検査>
頸動脈超音波(エコー)検査
最新のAI技術を搭載したSiemens製エコー装置を用い、全身の動脈硬化の「窓口」となる頸動脈の状態を精密に判定します。
1.AIによる客観的で精度の高い診断
これまで技術者の手動で行っていた血管壁の厚さ(IMT)の計測に、AIによる自動計測機能を導入しました。
・ばらつきのない正確な数値: 担当者による計測の差を抑え、客観的で信頼性の高い診断結果を提供します。
・動脈硬化の早期発見: 血管壁の厚みが1.1mmを超えると動脈硬化が疑われ、1.5mmを超えると「プラーク(血管壁の病的肥厚)」として評価されます。
2.「血管の健康状態」を色で視覚化
自動計測されたIMTデータをカラーマップで表示します。
・一目でわかるリスク: IMTが正常な部分は「青や緑」、厚みが増している部分は「黄色や赤」と色分けされるため、ご自身の病的なリスクを視覚的に分かりやすくご確認いただけます。
3.検査でわかること
・血管壁の厚み(動脈硬化の進行度)
・血管の狭窄(細さ)の程度
・血液が流れる速さ
<E. MCIスクリーニング検査プラス>
アルツハイマー型認知症の前段階である「MCI(軽度認知障害)」の発症リスクを、簡単な採血だけで判定する最新の血液検査です。
認知症の約6割を占めるアルツハイマー型認知症は、発症する約20年前から原因物質(アミロイドβペプチド)が脳内に溜まり始め、徐々に神経細胞を破壊していくことが分かっています。
この検査では、脳内でアミロイドβペプチドを排除・防御する機能を持つ「3つの特定のタンパク質」を測定し、あなたの脳の『リスク』を4段階(A〜D)で判定します。
1.検査結果の捉え方
リスクが低い順に A、B、C、D の4段階で判定されます。
※この検査は「認知症であるか否か」を診断するものではなく、あくまで「将来の発症リスク」を予測するものです。
2.リスクが高かった(C・D判定)場合の当院のサポート
仮に、判定がCやDであっても、決して失望する必要はありません。むしろ「発症前にリスクに気づけたチャンス」です。当院では結果に基づき、以下の予防アプローチを外来診療にて一緒に進めてまいります。
3.所要時間
検査方法:採血(MRI検査後に採血を行います)
結果が出るまでの期間:約2〜3週間後(脳ドック画像検査とは別で郵送にて結果をお知らせいたします。ご不明な点は外来にてご説明いたします)
4.『画像検査』と行うメリットについて
脳ドックの基本である「頭部MRI検査」と、オプションの「MCIスクリーニング検査プラス」は、それぞれ脳を見ている「対象」と「時間軸」が異なります。この2つを組み合わせることで、より確実な認知症予防へとつなげることができます。
・頭部MRI検査(現在の状態を把握)
「今すでに脳が萎縮しているか」「隠れ脳梗塞がないか」など、現在の脳の状態を構造(形)から詳しく把握します。
・MCIスクリーニング検査プラス(将来のリスクを予測)
将来のアルツハイマー型認知症の発症リスクを、分子(血液)レベルで評価します。
<最大のメリットは「MRIに映らない超早期の変化」をキャッチできること>
MRI画像にはまだ異常が出ない極めて初期の段階であっても、血液検査によって将来のリスクをいち早く検知することが可能になります。
この『超早期の段階』でリスクをキャッチし、生活習慣の改善を速やかに始めることで、徐々に進行する認知機能低下を防ぐことに寄与する可能性が格段に高まります。
Web・電話もしくはご来院の上、ご予約下さい。
脳ドックの受診日において浦安市国民健康保険の被保険者であって、次のいずれにも該当する方
脳ドック費用の助成額は、1万5,000円です。
ただし、脳ドック受診にかかる費用が1万5,000円に満たない場合は、自己負担額を限度とします。
※詳しくは、浦安市ホームページをご確認ください。